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コロナ禍で改めて考えたこと
2021年2月5日今週の作業療法学科

こんにちは。作業療法学科 教員中村です。

 

2月は節分があり、立春を迎える月です。

立春の前日が節分ですが、節分は邪気祓い行事として定着しています。

豆まきでは鬼は邪気や厄の象徴とされ、形の見えない災害、病、飢饉など人間の災いを払拭する行事として

家庭で行われています。 

この一年は、コロナ禍の影響を受けて、豆まきや恵方巻を食する方は多かったのではないでしょうか? 

しかし、このコロナ感染症は、人同士の触れ合いや交流により感染拡大が起こってしまうという人間の本質を

脅かされる感染症す。

 

そのため、普段の生活や自分自身の在り様を見直さねばならない状況にもなりました。 

日ごろ楽しみにしている会食会、仲良し同士の旅行、美術館や博物館への観覧などできなくなりましたが、

自宅近くを散歩してみますと電線に羽の雀が止まっていて、その羽が順番に飛び上がっては、

電線にまた、止まり、次の雀がもっと高く飛び上がってはまた電線に止まっているのです。

そしてその次の雀がさらに高く飛び上がっては電線に戻り止まります。

まるで3羽の雀が競い合っているように見えました。

普段の散歩では気づかなかった雀の競い合いもこのような厳しい状況だからこそ

ちょっとした出会いに清々しい気持ちになったのかもしれません。 

 

人は、このようなコロナ禍の状況で不安を抱いたりしがちです。

のような困難があった場合には安定した自己肯定感が重要といわれています。

その自己肯定感は様々な基礎的な感覚が関係しています。

 

その一つは、自尊感情です。

 

自尊感情は自分には価値があると思える感覚であり、自ら生きる価値を認識し、

自分の活かされた命を大切にする感情と言えますが内閣府の調査によりますと

日本人は諸外国の人に比べると低いといわれていますので

この自尊感情を育てることは重要な視点といえます。

 

日本の社会では自尊感情が育ちにくいのは何故でしょうか?

他人と自分を比較して嫉妬心、劣等感から感情をす減らす場面が多いからでしょうか。

あるいは一度失敗するとレッテルを貼られて、本人もトラウマになってしますことが多いからでしょうか。

これらを乗り越えるためには自分自身に満足する場面が必要かと思われます。

 

今回、コロナ禍での授業では当初はオンデマンド授業を行っておりましたが、

学生さんによっては他学生さんとの交流ができずストレスを感じられる方もおられました。

 

その後、対面式授業や双方向性の授業も行うことができ、ストレスは解消されたと聞いております。

授業では成長が見られれば「いいね」とか「こんなことも考えられるようになったんだね」などと

正のフィードバックを行うように心がけています。

学生さん同士で褒められる場面があると一層嬉しそうです。

 

また、自己受容感というありのままの自分を認める感覚が重要と言われています。

八風吹けども動ぜず、天辺の月」は、こうした風に吹かれても空に浮かぶ月のように

動じない心を持ちましょうという禅の教えです。

 

この自己受容感は、自分のポジティブな面もネガティブな面もあるがままに認められる感覚ということです。

青春時代は、ネガティブな面のみに着目したり、逆にポジティブな面に着目したりしがちですが、

自分自身の身丈分を認められると精神面では落ち着けるかもしれません。

さらに自己効力感ですが、自分にはできるという思える感覚です。

何度でも挑戦できる自分になるということです。

 

しかし、目標設定そのものが高すぎますとどんなに努力しても届かず、

逆に自信を失うという結果になり易いですので、目標自体をスモールステップで一つずつ

獲得しやすい目標にする工夫が必要です。

 

リハビリテーションの対象の方も、病気や障害を持たれましても社会復帰したいという

強い目標を持たれておられますが、努力が形になるように細やかな目標設定をして

日々努力されていることが到達しやすいように工夫しています。

そのような過程で、努力が実り、自己信頼感は自分を信じられる感情持ち続けられようになります。

さらに、自己決定感は自分で決定できる感覚です。

 

つまり、自立して自分自身で人生の重要な決定を行うことです。

最後に自己有能感は、自分は何かの役に立っているという感覚であり、

社会の中で自分らしさを発揮することができます。

病気や障害を持った場合でも社会の中で自分らしさを生かして社会で役に立ちたいと思われています。

このような基礎的な感覚を育てる自己肯定感は困難な時に人生を切り開く力となっています。 

 

このような時期に直面したからこそ改めて普段の生活や自分自身の在り様を一考してみましょう。

 

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