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次の新たな50年に向けて

 専門学校社会医学技術学院は1973年、整形外科医の下河辺征平先生と、日本で初めて国家資格を取得した理学療法士の一人である渡辺昭二先生によって設立された、50年以上の歴史のある養成校です。
 二人の創立者は、日本におけるリハビリテーション技術者の養成が急務であるとの思いから、当時既に別の資格を生かして(柔道整復師・鍼灸師など)病院の理学療法士の助手として勤務している人たちが、資格取得をするための学びの場を提供するために、当時日本で初めての夜間部の養成校として開校しました。一方医療機関で働いていない学生には、助手として働く医療施設の紹介も積極的に行いました。それは、経済的理由で昼間に開校している養成校には通えない学生への、経済的支援を考えたからでもありました。
 夜間部開校の理由はそれだけでは有りません。二人の創立者は、リハビリテーション技術者の養成では、実際の業務経験こそが大変重要であると認識していたからです。昼間は実際の医療機関でリハビリテーション技術者の助手として働き、夜は学校でその理論を学ぶ、学ぶ場所は違いますが、今で言うOJT(On the Job Training)です。創立8年目には夜間部の作業療法学科も開設しました。実務の経験を大事にする方針の下、夜間部で理学療法士・作業療法士を排出してきましたが、理学療法士・作業療法士の養成への期待は予想を超えて高まり、1983年には昼間部理学療法学科も開設することになりました。
 開設から50年が過ぎ、運営母体は1977年に財団法人日本リハビリテーション振興会、2019年には学校法人日本リハビリテーション学舎と変わりましたが、今もこの実践を尊ぶ二人の思いは、脈々と受け継がれています。
 その一つは、学納金を可能な限り低く抑えること。理学療法士・作業療法士を目指す思いを、経済的な理由で諦めることがないように、学納金は低額でも教育内容は誇れるものを。外見を飾ることにお金をかけるのではなく、教育備品や教育上必要なものにお金をかける、それが一つの経営上のポリシーになっています。
 そして、実務の経験を大事にする指導方針から、昼間部の3年間のカリキュラムであっても、夜間部と同様に実技の授業時間を多く取り、実技指導は可能な限り二人の講師で行うことを心がけています。OJTを大事にしているので、多くの4年制大学のカリキュラムと比べても学外実習の時間数は多いでしょう。
 このように、本校は、昔も今も大学教育とは違う、専門学校の使命である「技術者の養成」を強く意識した教育体制を整えております。

山田 千鶴子

学校法人日本リハビリテーション学舎 理事長

山田 千鶴子

実践的な教育を守りつつ、作業療法学科昼間部を開設します

 リハビリテーションは個々の患者さんのニーズに応じた治療を基本としています。身体のことばかりでなく、心の問題、日常生活上の困難さ、就職や就学といった様々な問題解決のために対象者に寄り添います。患者さんのニーズは多岐にわたりますので、画一的な治療というのは存在せず、理学療法も作業療法も手を取り足を取り,それぞれの患者様の様子をつぶさに観察しながら,臨機応変な対応が望まれる仕事ということもできましょう。
 患者さんの中には重度の障害があって,問題をどのように解決したらよいか,悩むこともしばしばあります。リハビリテーションはチーム医療ですので、そんな時は他の職種の方たちと協力し合って解決に当たります。
 厚生労働省の推計では2030年には65歳以上の人口は3667万人、人口の31.8%に上ると予測されており、2070年まで高齢者の割合は増加し続けるとされています。また、近年は、高齢者ばかりではなく、発達に問題を抱えた子供たちにもフォーカスされるようになってきています。理学療法士・作業療法士の力を必要としている方がたは、病院や施設ばかりでなく,在宅にもたくさんいらっしゃいます。これらすべての方々に寄り添い,痛みや苦しみ,喜びに共感できる人材の育成が大切です。
 社会医学技術学院は創立52年を迎えます。人間愛と高い人間性の涵養を理念とする実践的な教育は守りつつ、これを機に作業療法学科は本年度から昼間部に衣替えいたします。
 この50年間で4000名あまりの卒業生を世に送り出してきた社医学。卒業生が就職した施設へのアンケートでは、問題解決能力やコミュニケーション能力などで高い評価を頂いています。多くの施設で大学と専門学校卒業の違いはないとの回答を頂いています。また、施設から学院への要望として「学力レベルは維持しつつ、セラピストになるモチベーション・医療人にふさわしい資質を育んでほしい」などのコメントを頂いています。そのため、在校生の日々の学習はかなりハードにならざるを得ないのも事実です。教職員も、最大限バックアップしますが、ミスマッチが起こらないようにオープンキャンパス(学校説明会)などの機会を利用して、理学療法・作業療法という職業自体をよく理解して頂くとともに、模擬授業などの機会で授業の水準も感じて頂けたらと思います。
 学院は現状にとどまることなく、今まで蓄えてきた総合的な力で、今後を見据え、実力のある医療専門職業人の養成で社会の要請にこたえていかれるよう発展の歩みを止めることなく更に進めてまいります。

浅沼 辰志

専門学校社会医学技術学院 学院長

浅沼 辰志