社会人なら給付金をもらいながら学べる!
最大168万円が給付される「専門実践教育訓練給付金」を解説
働きながら理学療法士を目指している社会人の方も多いと思いますが、進路を選ぶ際に「専門学校や大学に進学したいけれど、経済的な事情で進学が難しい」という方も。そんな社会人の進学費用をサポートしてくれるのが「教育訓練給付制度」です。
これは貸与型の奨学金と異なり、一定の条件を満たせば給付金の支給を受けられる制度のこと。支払った経費(入学金や授業料)の50%・年間上限40万円(最長3年間で120万円、追加支給を含めると最大168万円)が支給される「専門実践教育訓練給付金」を利用すれば、学費の負担を大幅に軽減することも可能です。
今回は社会人の方のために、制度の内容を紹介しながら、給付金の支給額や要件、申請、手続きの方法について解説します。在職中でも離職中でも利用できる制度なので、社会人の方は積極的に活用しましょう。
専門実践教育訓練給付金とは? わかりやすく解説
「教育訓練給付制度」とは、働く人々の主体的な能力開発やキャリア形成を支援し、雇用の安定と就職の促進を図ることを目的として、厚生労働大臣が指定する教育訓練講座を受講・修了した際に、支払った学費の一部が支給されるという制度です。平成10年度に設けられて以降、仕事で生かせる知識やスキル習得に、またキャリアアップのための資格取得にと、多くの人に活用されています。
「教育訓練給付制度」は、身につけられる内容やスキルのレベルによって、「一般教育訓練給付金」「特定一般教育訓練給付金」「専門実践教育訓練給付金」に分けられます。ここで紹介するのは、平成26年に創設された「専門実践教育訓練給付金」。労働者の中長期的なキャリア形成の支援を目的とした新しい制度で、訓練内容が専門的・実践的になるため、他の教育訓練給付金と比べて給付率が高いのが特徴です。専門学校や大学に設置された専門実践教育訓練の講座を受講し、一定の要件を満たす場合は、支払った経費(入学金や授業料)の50%・年間上限40万円がハローワークから支給されます。「専門実践教育訓練給付金」の概要を下記にまとめています。詳細は最寄りのハローワークにお問い合わせください。
■専門実践教育訓練給付金の概要
大学の最大の特徴は、学べる科目の幅が広いこと。作業療法士に必要な知識や技術に加えて、語学や文学など必修科目以外の科目も受講することができます。また、サークル活動や部活動が盛んで、他学部の学生と交流する機会が多いため、人脈を広げやすいというメリットもあります。学生時代に看護系学部、介護・福祉系学部の学生と交流を深めることで、お互いの仕事内容を理解することができ、就職後の他職種連携がスムーズになるでしょう。
[対象となる講座]
・専門学校(職業実践専門課程/キャリア形成促進プログラム)
・大学院や大学(MBAや法科大学院などの専門職大学院/職業実践力育成プログラム)
・業務独占資格の取得を目指す講座(介護福祉士、看護師、美容師、社会福祉士、保育士など)
・情報通信に関する資格の取得を目指す講座(ITSSレベル3相当以上の講座、第四次産業革命スキル習得講座)
[対象者(支給要件)]
次の(1)または(2)のいずれかに該当し、厚生労働大臣が指定する専門実践教育訓練を修了する見込みをもって受講している方と、修了した方。
ただし、(1)(2)とも過去に教育訓練給付金を受けたことがなく、初めて専門教育訓練を受給しようとする方については、支給要件期間が2年以上あれば受給可能。また、受講開始日の前日から3年以内に教育訓練給付金の支給を受けたことがある場合は、「専門実践教育訓練給付金」は支給されません。
(1)雇用保険の被保険者(在職の方)
専門実践教育訓練の受講開始日に、支給要件期間(同一の事業主に一般被保険者等または短期雇用特例被保険者として雇用された期間)が3年以上ある方
(2)雇用保険の被保険者であった方(離職者)
一般被保険者の資格を喪失した日(離職日の翌日)以降、受講開始日までが1年以内であり、かつ支給要件期間が3年以上ある方
[支給額]
教育訓練経費の50%(年間上限40万円)
[給付期間]
最大3年間。6か月ごとに支給申請を行い受給。教育訓練を途中でやめた場合や、基準により定められた訓練期間中に修了する見込みがなくなった場合は、それ以降支給されません。
社会人なら給付金をもらいながら学べる! 申請手続きや受給の流れを解説
「専門実践教育訓練給付金をもらうには?」と気になっている方も多いと思います。他の教育訓練給付金は教育訓練を修了した後に支給申請を行いますが、「専門実践教育訓練給付金」は6か月ごとに申請を行うため、給付金をもらいながら学ぶことができます。ここでは利用を検討している方のために、制度の利用方法や申請手続きについて解説します。
[STEP 1]
まずは進学先の学校説明会や個別見学会に参加し、入学したい学科が厚生労働省の専門実践教育訓練に指定されているかどうかを確認しましょう。
[STEP 2]
最寄りのハローワークで、「専門実践教育訓練給付金」の受給資格の確認を行います。受給対象であれば、訓練対応キャリアコンサルタントによる訓練前キャリアコンサルティングを受けて、「ジョブカード」を発行してもらいます。ジョブカードとは就業の目標、職業能力の開発・向上に関する事項を記載しながら、ご自身の能力や将来への希望などを整理して、明らかにしていくツールです。
[STEP 3]
進学先の入試を受験し、合格通知を得ます。受講開始日の1か月前までに最寄りのハローワークへ「専門実践教育訓練給付金」に関する申請書を提出します。手続きを行う際に、ジョブカードや受給資格確認表、住居書確認書類(マイナンバーカード、運転免許証など)が必要になるため、あらかじめ必要書類を準備しておきましょう。
[STEP 4]
希望の進学先へ入学し、講座を受講します。入学から半年ごとに、受講者本人がハローワークへ給付金の支給申請を行い、支給を受けます。申請する際は、受給資格証や教育訓練給付金支給申請書、受講証明書、支払った学費の領収書などが必要になります。「支給申請手続きの期限に間に合わなかった……」ということがないよう、必要書類や期限を忘れずに確認しましょう。
[STEP 5]
理学療法士の国家試験に合格し、卒業後1年以内に就職した場合は、さらに教育訓練経費の20%にあたる「追加給付」を受けることができます。「専門実践教育訓練給付金」と併用することで、最大で教育訓練経費の70%(年間上限56万円・3年間で168万円)が支給されることになります。
以上が「専門実践教育訓練給付金」の申請手続きや受給の流れです。
さらに、受講開始時に45歳未満で失業中の受給資格者は、受講期間中に「教育訓練支援給付金」を受給することができます。支給されるのは、失業手当がもらえる期間が終了してからにはなりますが、失業手当の日額80%相当額です。「教育訓練支援給付金」は令和6年度までの暫定措置のため、詳細はお住まいの地域を管轄するハローワークにお問合せください。
社医学は理学療法士養成校の中で都内でも数少ない指定校! 社会人も安心して学べる!
社会医学技術学院(社医学)は「働きながら学ぶ」をモットーに、創設以来たくさんの社会人理学療法士を輩出してきました。本校の理学療法学科昼間部は、専門実践教育訓練の講座として厚生労働大臣から指定を受けており、理学療法士養成校で都内における指定校は本校を含めて2校しかありません。理学療法学科昼間部に入学し、授業・実習などを経て卒業した場合、本校に支払った学費(教育訓練経費)の一部が「専門実践教育訓練給付金」としてハローワークから支給されます。
[理学療法学科昼間部 入学後の支給例]
専門実践教育訓練給付金
1年次 40万円 2年次40万円 3年次40万円(年間上限40万円)
追加支給
資格取得後1年以内に就職 48万円(上限48万円)
教育訓練支援給付金
失業手当(基本手当)の日額 80%相当額
本校で支給される総額
3年間で最大168万円+失業手当の日額80%相当額(受講開始時に45歳未満で失業状態にある場合など)
資格取得後1年以内に就職した場合は、「追加支給」を受けることができるだけでなく、受講開始時に45歳未満で失業状態にあるなど、一定の条件を満たす場合には「教育訓練支援給付」の対象にもなります。現在離職中の方で、専門実践教育訓練を受けたいと考えている人も多いと思います。雇用保険の基本手当(失業給付)の支給が終了するとその後の生活費が心配になりますが、「教育訓練支援給付金」を活用することで、失業中の方でも安心して学ぶことができます。まずは下記の図を参考に、ご自身が「専門実践教育訓練給付金」の受給対象者かどうかをチェックしましょう。
※個々の諸事情などにより、対象外になる場合もございます。
必ずハローワークにお問い合わせください。
まとめ
今回は働きながら学ぶ社会人の方のために、「専門実践教育訓練給付金」の支給額や要件、申請、手続きの方法について解説しました。一定の条件を満たせば、在職中の方でも離職中の方でも利用できる制度です。進路を選ぶ際は、厚生労働大臣が指定する講座かどうかを確認しましょう。
社医学では、皆さんが安心して学生生活を送れるよう、他校と比べて安い学費設定になっています。卒業までにかかる学費は426万円(昼間部)。大学と比べて約3分の2の費用で国家資格取得が目指せます。奨学金などの学費支援制度も整え、社会人の方の充実した学生生活をサポートしています。