作業療法士の気になる年収・給与を公開!おすすめのキャリアアップの方法や職場選びのポイントも解説
将来、医療系の仕事を目指している方の中には、作業療法士に興味を持っている人も多いのではないでしょうか。
作業療法士は、理学療法士と並ぶリハビリテーションの専門職で医療系国家資格のひとつです。他の医療系職種と比べて、体と心の両面にアプローチできることから、高齢化の進展とともに認知症患者が増加している日本において需要の高い職種として注目されています。
そんな将来性のある作業療法士ですが、一方で「給料は安い」と言われることも。
今回は作業療法士の給与やボーナスを見ながら、気になる年収を解説します。また、これから作業療法士を目指す上で知っておきたいキャリアアップの方法、職場選びのポイントについても紹介します。
作業療法士の年収は低い?平均年収を解説
厚生労働省が毎年発表している「賃金構造基本統計調査」を参考に、作業療法士の年収を見ていきましょう。作業療法士の平均月収は男性31.3万円、女性28.6万円。ボーナス(賞与)について見てみると、男性は69.8万円、女性は71.3万円で、平均年収は男性447.8万円、女性412.2万円となっています(10人以上の企業規模の場合)。
続いて、年齢別の平均給与・平均年収を見てみると、25〜29歳で392万円、35〜39歳で455.5万円、45〜49歳で518万円と年齢とともに給与・年収が上がっているのがわかります。(10人以上の企業規模の場合)
作業療法士の年齢別平均年収(10人以上の企業規模)
| 月額給与 | 年間賞与 | 平均年収 |
20~24歳 | 25.2万円 | 33万円 | 355.8万円 |
25~29歳 | 27.2万円 | 65.7万円 | 392万円 |
30~34歳 | 29.3万円 | 69.9万円 | 421.4万円 |
35~39歳 | 31.7万円 | 74.6万円 | 455.5万円 |
40~44歳 | 34.1万円 | 88.1万円 | 497.5万円 |
45~49歳 | 35.4万円 | 92.7万円 | 518万円 |
50~54歳 | 34.6万円 | 99.3万円 | 515万円 |
55~59歳 | 38.8万円 | 104.4万円 | 570.1万円 |
※出典:厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査」理学療法士、言語聴覚士、視能訓練士含む
※平均年収は「きまって支給する現金給与額」×12か月+「年間賞与 その他特別給与額」で算出
ここで紹介した給与・年収はあくまで平均です。年齢を重ねることで管理職に就く機会も増えますし、ベテラン作業療法士の中には、平均を上回る年収を得ている方も数多くいます。
また、作業療法士が活躍する医療機関や介護施設は、一般的な企業よりも福利厚生が充実していることが多く、扶養手当、住宅手当、残業手当、休日出勤手当が支給される職場もあります。いずれにしても、作業療法士としての経験を積み、知識や技術を身につけていくことが年収アップの近道です。
おすすめのキャリアアップの方法
作業療法士として入職した時点の年収は高くなくても、自らの努力次第で給与を上げることができます。例えば、作業療法士の給与は勤続年数とともに高くなることから、同じ職場で経験を積むこともひとつの手です。ここでは、作業療法士のキャリアアップの具体的な方法を紹介します。
資格取得に挑戦する
国家資格である作業療法士の資格に加えて、「認定作業療法士」「専門作業療法士」を取得することもキャリアアップにつながります。認定作業療法士は、作業療法士としての実践能力・研究活動・管理運営能力が一定水準にあることを証明する資格で、専門作業療法士は、特定の分野についての高度な実践能力・課題解決能力を証明する資格です。どちらも簡単に取れる資格ではありませんが、自分自身の専門性を証明することにつながり、転職活動でも有利に働くでしょう。
給料が高い職場・昇給が見込める職場を選ぶ
年収を上げるには、給料が高い職場や昇給が見込める職場を選ぶことが近道です。作業療法士の就職先はさまざまですが、1000人以上の経営規模ともなると給与が高くなる傾向にあります。また、国公立の病院やリハビリテーションセンターなどの公的機関は入職時の給与は低いものの、安定した昇給が見込めます。加えて公的機関は福利厚生も充実しており、働きやすさで選ぶならおすすめの職場です。
管理職にキャリアアップする
作業療法士としての経験を積んで管理職になれば、基本給も上がり、役職手当が支給されます。ただし、管理職になるには、本人のスキルや能力だけではなく、ある程度の経験年数・勤続年数も必要です。また、経営に対する視点やリーダーシップなども必要になるため、簡単なことではありません。日頃から自己研鑽により知識や技術を高めることが大切です。
作業療法士の働く場所は?職場環境をチェック!
日本作業療法士協会の「2019年度 日本作業療法士協会会員統計資料」によると、作業療法士の主な勤務先は病院、介護施設、作業療法士養成校、児童福祉施設になります。
ここでは、作業療法士が活躍する職場をご紹介します。働く場所によって仕事内容や給与も異なるため、就職先を選ぶ際の参考にしてみてください。
病院
数ある職場の中で、最も多くの作業療法士が活躍しているのが病院です。一般病床はもちろん、地域包括ケア病棟、回復期リハビリテーション病棟など、さまざまな場所で作業療法士が活躍しています。近年は精神疾患や発達障害を抱える患者の増加、高齢者の増加により、精神病院や小児専門病院、認知症専門病院などにおいても活躍が期待されています。
病院での作業療法士の年収は約360〜450万円で、作業療法士全体と同じ水準になっています。病院の規模、作業療法士の年齢・役職によって年収は左右されますが、資格手当や住宅手当などの福利厚生も充実していることから、他と比べて働きやすい職場環境と言えるでしょう。
介護・福祉施設
介護業界では人材不足が叫ばれており、デイサービスや訪問介護、訪問リハで活躍する作業療法士のニーズは年々高まっています。また、高齢者だけでなく、児童発達支援センターや障害児入所施設などで、子どもの成長を支援している作業療法士もいます。
介護・福祉施設で働く作業療法士の年収は約270〜500万円程度。介護施設の中には高収入を得られる求人もありますが、NPO法人などが運営する福祉施設は営利を目的としていないため、やりがいはあるものの給与水準は低めと言えるでしょう。
養成校
作業療法士として経験を積んだ後に、養成校の教員として活躍する作業療法士もいます。教育機関で働くには5年以上の臨床経験を必要としますが、培ってきた経験を活かして人材を育てたり、学生の成長を支援したりと、臨床現場とは違ったやりがいもあります。
養成校で働く作業療法士の年収は、大学や専門学校によって異なりますが、年収400万円前後の求人が多く見られます。決して高い給与水準ではありませんが、勤務時間が明確、教育機関との人脈を築ける、学生に教える醍醐味を味わえるといったメリットがあります。
まとめ
病院をはじめとして、介護・福祉施設、養成校など様々な職場で活躍する作業療法士。
高齢者におけるリハビリの必要性は高まる中で、作業療法士を必要とする施設は増えていくと予想されます。
理学療法士と比べると、作業療法士人口はまだ少なく、社会のさまざまな場所で必要とされていくでしょう。
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